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グラフェンとは何か

グラフェンとは何か

基本的には炭素原子の層でできたシートで、厚さは原子1個分です。

 

1 mmの厚さにするには、このシートを約3百万枚積層する必要がありまます。伸縮性があって柔軟でありながら非常に硬く、強さは鋼鉄の100倍もあります。電気の良導体であり、融点は摂氏約3,000度です。

 

現在多くのメーカーが、チタン合金、単結晶素材、炭素繊維など、高度に洗練された素材に取り組んでいます。これらの素材については、その高い耐熱性、柔軟性、その他の特性に関する研究が絶え間なく行われています。

 

グラフェンが期待通りの性能を発揮できれば、このような特性に関する研究が大きく進展する可能性があります。軽量で、薄く、強い構造物への道を開き、超軽量航空機から海水淡水化プラントや超高速コンピュータにいたるまで、ありとあらゆる物に使用される可能性があります。

グラフェンと市場

グラフェンと市場

今のところ、この素材の製造には莫大な費用がかかります。

 

そのため研究に必要な製造量に止まっていて、まだ商品として市場には供給されていません。

 

ただ、世界中の企業や国家が、その研究開発に数億ドルの投資を行っています。欧州委員会は、グラフェンに関する特別プロジェクトを立ち上げ、欧州の17か国の先端研究機関および大企業による10年間の研究開発を資金面で支援するために、10億ドルの予算を承認しています。

グラフェンの用途

グラフェンの用途

グラフェンは応用についてはまだ研究段階のものが殆どです。しかし、様々な分野で検討されています。

垂直方向の外部電場に対して高い応答性が得られることから、電界効果トランジスタについての可能性があり、その技術の延長で不揮発メモリの可能性も出てきています。

 

集積回路においても、グラフェンは高いキャリア移動度や低雑音性や高い熱安定性からその可能性が報告されています。

 

グラフェンは官能基化する事でガスセンサーとして、高い検出能を発揮する事も報告されており、特に化学プラントや放射線の環境下のガスセンサーとしては、グラフェンの高耐食性や高温耐久性のセンサーが期待されています。

 

また、テラヘルツ波や赤外光の光の吸収に適していることから、高速で応答する赤外センサーになり得る事も報告されています。さらにグラフェンのフェルミ準位を調整する事で光の吸収性を変化させることもできるので、光変調器としても機能する事が報告されています。

 

グラフェンはその透明性と高い導電性から透明電極としても有望視されていて、さらに発光電気化学セルとしても実証されています。 その他の用途としては太陽電池、蓄電デバイス、バイオデバイス、熱マネジメント材料や圧電材料、抗菌材料、ろ過材料などにも研究が広がっています。

発明者にノーベル物理学賞

発明者にノーベル物理学賞

2010年度のノーベル物理学賞は、2004年に黒鉛のかたまりから単層のグラフェンシートを初めて分離し、その特異な性質の解明に努めた英国・マンチェスター大学の研究者アンドレ・ガイム(Andre Geim)氏とコンスタンチン・ノボセロフ(Konstantin Novoselov)氏に贈られました。

 

彼らは粘着テープで黒鉛の薄片をはさみ、そのテープを引きはがすという簡単な操作を繰り返すことにより、単層のグラフェンを得ました。